税務調査の対象は広い。
パソコンやサーバーのデータも対象となっており、脱税ができないような対応になってきている。

 仮装・隠ぺいは重加算税の対象とされる(国税通則法68条)。(注1)
仮装・隠ぺいというと、二重帳簿の作成、簿外資産に係る利息収入等の未計上、
簿外資金による役員賞与等の支出、非同族会社の偽装などがあるが、これに加え、
近年重加算税が課された項目の上位にランクインしているのが、メールの削除だ。

 こうした中、納税者にあっては、税務調査で問題になりそうなメールを
調査前に削除しておこうという気持ちが働きかねない。

 ただ、メールを削除したことが税務調査で発覚する可能性は決して低くない。
まず、削除したメールは、復元ソフトを使えば復元できるケースがある。

また、パソコンのみならず、サーバーも税務調査対象となる「その他の物件」に該当するため
たとえパソコン上では完全に削除されていても、サーバーにメールが残っていれば、再び閲覧することが可能だ。

 把握されたメールの内容により租税回避等の意図が認定されることもあるが、
それ以上に問題となるのは、「メールを削除した」という事実そのものだ。

メールの内容のみからは必ずしも租税回避行為が認定されるとは限らないが、
もしメールが削除されたことが発覚すれば、確実に「仮装・隠ぺい」として重加算税の対象になる。



        対策は簡単だ。
         悪いことはしない。
(注1)
 国税における加算税の一つ。 過少申告加算税が課される場合(申
告書に記載された金額が過少),または不納付加算税が課される場合(正
当な理由なく法定納期限までに納付しない)において仮装隠蔽の事実があ
るときに基礎となる税額に対し 35%の税率で,無申告加算税が課される場
合(正当な理由なく申告期限内に申告しない)において仮装隠蔽の事実が
あるときに基礎となる税額に対し 40%の税率で課される追加課税。

(注2)
新日本法規出版e-hoki 2014年6月9日

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