この業界に長くいますと、税務調査に立ち会う機会も増えますし、同じ調査官と何度もお会いすることもあります。
まだ若かりし頃、何度か税務調査で出会ったベテランの調査官と雑談をしているときに、
ところで、税務調査のコツって何ですかと、質問したことがあります。
その調査官から、一番のコツは、社長や経理担当者にたくさんしゃべってもらうこと、という答えが返ってきました。
税務調査では冒頭、会社の状況や取引の流れなどの説明を求められますし、様々な場面で色々な質問が出るのですが、
そこでたくさんしゃべってもらって、申告書や内訳書ではわからない、ターゲットとなるポイントがあるか否かを見極めたいということでした。
確かに、税務調査では、そのような説明の時間や雑談など場面を問わず、いろいろな話題が出ます。
通常の取引、イレギュラーな取引、資金繰り、ライバル企業、新規事業・・・はもとより、生い立ち、家族構成、
学歴や職歴、海外旅行やゴルフなど趣味、お酒や煙草などの嗜好などなど。
そのようなやり取りの中で、調査すべき事項があるか否かを確認するために、いかに気持ちよく、
饒舌に色々なことをしゃべってもらうためには、どう質問するかということを考えているようです。
あれ?ということは、口の重い社長や経理担当者だと調査はやりづらい?そのベテラン調査官に聞くと、
まあ、そうだね、会話は大事な情報源だから、ということでした。

他にも、取引に関係のない話を延々とする社長もやりづらい言っていました。
そうすると、税務調査の場面では、寡黙な社長はおトクなのかしら、また、おしゃべり好きな社長であっても、
結果として事業に関係ないことをたくさんしゃべるとおトクなのかしら、ということを考えてしまいました。
また、これまでの経験上、これはやってはいけないといえるのは、調査官の質問に対して真面目に対応しようするあまり、
はっきりと知らないことでも、なんとか答えてしまおうとすることです。
それが正しい情報であればいいのですが、事実と違ったことが含まれていてそれが調査官にとって「いい情報」だとするとそれを覆すのは大変です。
少しでもあやふやな情報は確認してあとで回答することにしたほうがよいでしょう。
いずれにしても、税務調査においては、質問にどう対応するかを含めいろいろな準備をしておくことが望ましいということになります。

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