通常の税務調査は以下のような順番で行われます。
前項の、準備しておく書類を基本に、ここでは典型的な2日のパターンで説明します。
(1)1日目
初めは概要から
10:00
①朝10時になると、税務職員がやってきます。
 そして、身分証明書を提示しながら挨拶をします。
 名刺を持っている調査官もいますが、驚く事はその作成費用は自前だそうです。
②雑談から入り、会社の経営方針、業務内容、販売方法、会社組織、業種の特殊性等について質問されます。
具体的には、
□1)会社の経歴書 (パンフレット)
 イ、設立年月日          ロ、事業の内容
 ハ、主な取扱い商品         ニ、取引金融機関
 ホ、支店、営業所等の所在地    ヘ、役員の状況
 ト、主な売上先          チ、主な仕入先
□2)会社の組織図 役員、従業員の職務分担状況
③元帳や得意先元帳、会計伝票等の提示を求められます。
12:00
調査官は昼食を通常は外で食べます。
13:00
④売上内容のチェック(調査修正項目のうち19%を占める。以下同)
 修正項目の約2割はこの項目です。そのうち
 売上の計上時期のズレ    40%
 今期に計上すべき売上が,来期にずれ込んでいないか。
 小口現金の売上の計上もれ  55%
 実際の現金残高と、帳簿の残高を合わせておきましょう。
⑤原価の内容のチェック(5%)
 棚卸の計上漏れが多い
 特に、仕掛品の計上漏れが多い。期末で,受注して、すでに作業を開始していれば仕掛品です。
 材料費は、会社側もよく計上してますが、計上漏れでよく指摘されるのが、作業に関わった人件費部分です。
 外注費、賃金のチェックは該当者の住所や電話の確認がされます。
⑥反面調査との突合
 税務署が予め取引先や銀行の調査をしていて当社に関する資料を持参している場合があります。
 不一致がある場合は、厳しく問い詰められます。
16:40
⑦帰る準備
 明日の宿題等がだされます。
⑧16:50頃には帰ります。

(2)2日目(最終日の場合)
10:00
①昨日の続き
②費用損失等のチェック(29%)
 うち、他科目中の交際費の認定が23%と一番多い。
 その他、修繕費、寄付金、旅費等のチェックが多い。
③利用資産等のチェック(18%)
 会社の業務にきちんと使われているか?等
④その他の項目
12:00
 調査官は昼食を通常は外で食べます。
13:00
⑤問題点の絞込み
 問題点の証拠固めをします。
15:30
⑥最終結論の確認
 この日でほとんど修正の結論が出るが、持ち帰って検討となることも、何もない場合もある。
16:50
 この頃には帰ります。
 後日、調査官から顧問税理士に税務署での検討結果の報告があります。
 修正がある場合には、修正申告書を提出するとともに、税金を納めなくてはなりません。
 修正がある場合は延滞金や罰金がかかります。 税務調査での罰金は?
 タイムスケジュールとしては以上のようですが、その中には色々なドラマがあります。

 主なチェック項目等
 実地調査でのチェック項目のトップランクは以下のようです。
①担当者からの直接聞き取り    68.8%
②書類のコピーの持ち帰り     67.5%
③取引先への反面調査       34.4%
④倉庫や現場への立ち入り     15.7%
⑤金庫の中の現預金実査       8.6%
⑥取引銀行への反面調査       8.0%
⑦プライバシー部分の調査     10.4%(⑦のみ13年度税理士会調査)

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